冬に気をつけたいヒートショック

寒い冬期に心疾患や脳血管疾患など循環器疾患で亡くなる方が多くなります。特に冬場、暖房をしているリビングやダイニングなどの温かい空間と廊下やトイレ、洗面脱衣所、浴室などの寒い空間と10℃以上の温度差のある家です。

特に入浴時には服を脱ぐことで、体内では熱が逃げないように皮膚表面の血管を縮めるため、血圧が上昇します。次に入浴で温まると皮膚の血管が広がり血圧が急激に低下します。最後に温まった体で寒い脱衣所へ出ることで、再び急激に血圧が上昇します。

この急激な血圧変化が、ヒートショックです。血圧の上昇で心筋梗塞、脳梗塞や脳出血などを引き起こしたり、血圧の低下により意識を失うことで溺死につながることも多いのです。ヒートショックによる事故死は年間1万人以上の死亡数で、少なくとも交通事故の2倍以上の死亡数なのです。

まさか私に限って

今、このヒートショックの危機にさらされているのが、1980(昭和55)年以前に建てられた無断熱の住宅です。断熱されていないことにより、暖房の効いた部屋との温度差が10℃を超えます。健康のためにも断熱リフォームを検討された方がいいと思います。

ヒートショックは、高齢者のことで、自分は無関係と思っている方が多いと思います。しかし、長年、住み続ける家を考えるにあたり、きちんと考えておく必要があります。30代から40代までの方が住宅の第一次取得者と言われていますが、建ててから30年経てば、多くの方が高齢者となっています。日本の住宅の平均寿命が築27年と言われる中で、築35年を超える住まいの方は、今更この家にお金をかけるのも・・、かといって、これから新築するのも・・とためらう方が多くいます。今だけを考え、断熱を軽視することはあまりお薦めできません。

冬に気をつけたいヒートショック実は、心疾患や脳血管疾患など循環器疾患で亡くなる死亡率は、北海道、青森県や富山県などの冬の寒さが厳しい地域は低いのです。逆に比較的温暖な地域である静岡県、和歌山県や鹿児島県では高い傾向が見らます。

なぜでしょうか。

鹿児島県の1月の平均気温は8.5度、最低気温は4.6度しかありません。冬の室内推奨温度は20℃。無暖房で断熱されてない室内はほぼ外気温と同じです。その差は10℃を超えるのです。温暖な地域ほど、断熱に対する意識が低く、ヒートショックのリスクが高く、逆に北海道などは住宅の断熱性が高いので、リスクが低くなっているのだと思います。

 

ヒートショックをおこさない家

ヒートショックをおこさない家にするためには、家の断熱性能を上げることです。断熱性能を示す一つの指標が外皮平均熱貫流率(UA値)です。 少し難しい言葉ですが、外皮とは、熱的境界となる屋根又は天井・外壁・床・開口などのことで、建物内外の温度差が1℃の場合の部位ごとの熱損失量の合計を外皮等の面積の合計で除した値をいいます。UA値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高くなります。

しかし、気をつけたいのは、建築会社公表の数値やモデルハウスの数値はあなたが建てる住宅と同じではないこと。数値は1邸一邸異なります。また、数値にこだわりすぎることにも気をつけてください。数値は机上の計算で出るものです。やみくもに数値だけを追い求めても快適な家とはなりません。住宅の断熱性能をよくするためには、断熱方法や断熱材とその組み合わせ、窓の大きさやサッシやガラスの種類などの性能だけでなく、計算されない遮熱性能や調湿性能、地域の気候、温度、湿度、風向き、風速、日射、方角、日照時間、標高や地形や隣地環境、庇や軒の出、吹抜けなどの有無や各部屋の配置、間取り、内装の仕上げ材、そして施工品質など様々な要素のバランスが大切です。

ハウスドットコムでは、カタログやモデルハウスでの比較ではなく、実際に建てた家を体感することや住まわれているお施主様の本音をお聞きするのが一番だと考えています。

住まいは平時だけでなく、もしもの時も、しっかりと家族の命を守ることが求められています。想定外、では済まされない耐震・耐火性能についてもきちんと押さえておきたいところです。